私は10年前にイタリアに赴任した時、絵画など全く興味がなく、絵画なんて歳とってから楽しむものだろうと思っていました。
一応美術館にも行ってみましたが、何が言いたいんだこの絵は?という感じで立ち止まらずに通り過ぎておしまいでした。

しかしその後、西洋の絵画、特に宗教画を理解するには聖書を理解する必要があるということが分かり、日本に帰国時に聖書を手にしてみると、書体が古文で全くわからん。。。。
でも日本は便利な国で、聖書を西洋絵画、宗教画を元に説明した本が結構たくさんあるのです。以下の2冊は聖書、宗教画を理解するためのお勧めの本です。
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絵画で読む聖書

中丸 明

この本は絶版ですが、Amazonなどで買えます。単行本ですが分厚くて、内容もかなり充実しています。聖書の裏話も多数出ているので、敬虔なキリスト教徒の方が読むと怒るかもしれませんが、非常に面白いです。
神様のことをカミタマンとか、ちょっとふざけた表現もあるのですが内容はしっかりしてます。この本を読めば旧約、新約聖書の大体は理解できます。「絵画で読む・・・」というタイトルの割には絵画はあまり出てきませんがこれを読めば宗教画の大半は理解できるでしょう。

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聖書の名画はなぜこんなに面白いのか
井出 洋一郎

「・・・はなぜこんなに面白いのか」シリーズの1つ。こちらの方は絵画の写真が大きく出ていて、説明は少な目です。全てのページに絵画が出てくるのでわかりやすい、初心者向きです。1,2時間もあればサクッと読めます。
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これらの本を読めば、宗教画を見てもどの場面のことかが分かるようになり、美術館に行くのが楽しくなります。
私が特に好きなのは、「受胎告知」です。マリアがキリストを身ごもったことを大天使が伝える場面です。
多くの画家が受胎告知を描いており、画家の特徴が出ていて非常に興味深いです。

「聖書の名画はなぜこんなに面白いのか」の表紙にもなっている、アンジェリコの受胎告知はマリア、大天使の衣服が非常にきれいに描かれていて癒される絵で私のお気に入りです。

受胎告知は通常、大天使が左、マリアは右なのですが、「エル・グレコ」の受胎告知は逆で、マリアが左です。
エル・グレコはスペイン三大画家の一人。劇画調の絵は、どの絵を見ても「ジョジョの奇妙な冒険」に見えてしまいます。
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また宗教画には必須のアイテム、象徴のアイテムというのがあり、アトリビュート(attribute)と言います。
例えば、使徒がカギを持っていれば、それはキリスト一番弟子の「ペトロ」です。ペトロは天国のカギを持っています。
受胎告知では、マリアの清純を示す「ユリの花」や、神の精子である精霊を光や鳩として描かれています。
宗教画を見る際にはアトリビュート、必須アイテムを探すのも面白いです。

以下は宗教画を見るためのおすすめの美術館です。以下の美術館でロシア以外は全て行きました。どこも非常に素晴らしい美術館で、その美術館に訪れるためだけにその国に行ってもいい所ばかりです。
旅行の際に以下の美術館訪問を組み合わせるとよいでしょう!

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ヨーロッパ在住の間に行っておくべき美術館:
オランダ
・国立西洋美術館 →世界3大絵画の1つ、「夜警」がある。
・マウリッツォハウス →真珠の首飾りの娘、デルフトの眺望、など

イタリア
・バチカン美術館 →世界一の美術館。ミケランジェロの天国と地獄、天井画は死ぬまでに見ておきたい。
・ボルゲーゼ美術館 →盗品も多数ある?と言われるほど充実した美術館。
・ウフィッツィ美術館 →ボッティチェリの「ヴィーナス誕生」、「春」、ラファエロの「聖母子」は必見。

フランス
・ルーヴル美術館→世界三大絵画の1つ「モナリザ」を始め宗教画が多数。ダビンチコードにも出てきたダビンチの「岩窟のマリア」は必見。
・オルセー美術館→ミレーの落穂ひろいなど、印象派。

ルーブルとオルセーは絵画の描かれた時期によって分かれております。ルネサンス期までの絵を集めたのがルーブル、印象派から戦前まではオルセーです。宗教画をたっぷり見たければルーブルですね。

スペイン
・プラド美術館→世界3大絵画の1つ、ベラスケスの「ラス・メニーナス(女官たち)」、ムリーリョの「無原罪の御宿り」のマリアは世界一美しく描かれているとも言われています。
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・ソフィア王妃芸術センター→ピカソの「ゲルニカ」は必見!
・カタルーニャ美術館→全能のキリスト、聖母子など。

ドイツ
・博物館島の美術館:ボーデ博物館
・アルテ・マイスター絵画館→ドレスデンにある美術館。ラファエロの2人の天使は必見!
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UK(イギリス)
・ナショナルギャラリー→2300点を超える絵画、入場無料。

オーストリア
・ウィーン美術史博物館→ヨーロッパ3大美術館の1つ。バベルの塔は必見。

ベルギー
・王立美術館→ブリューゲルの宝庫。

ロシア
・エルミタージュ美術館→世界3大美術館の1つ。いつか行ってみたい!
・国立ロシア美術館

日本
・国立西洋美術館
http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
→松方幸次郎がパリで収集した珠玉の絵画は必見!ル・コルビュジエ建築のため、フランスによる他薦で「世界遺産暫定リスト」入り。東京オリンピック前に東京23区内初の世界遺産なるか!?世界遺産になると大行列になるので今のうちに行っておくとよいでしょう。上野駅公園口降りてすぐです。